「心霊探偵八雲」の感想!
心霊探偵、というからてっきりホラーと推理小説が混ざっているのかと思っていたが、そんな私の予想を軽く凌駕する作品だった。
とある事件によって、斎藤八雲に相談をしに来た小沢晴香。八雲と晴香は、そこから何度も心霊関係の難事件を解決していくことになる。
個性あふれる登場人物たちの関係性や性格などが、神永学さんの洗練された文章によって描かれていて、読んでいて一切飽きないほどに面白い。
本作の本編はもう完結しているが、八雲の活躍や過去を描いた短編小説が出版されている。
この物語の魅力は何といっても八雲の人柄の変化である。
幽霊が見える八雲は、生まれつき赤い左目を持っていて、それが原因で人々から避けられてきた。そのため、口はかなり悪く、ひねくれ者であるが、内心では人や命の重さを理解しているような優しい人間だ。
そんな八雲の人柄に段々と惹かれていった晴香。
晴香は今の関係を壊したくないと思い、中々自分の気持ちを素直に言えなかった。
初めて晴香が八雲に出会ったとき、晴香は八雲の赤い目を見て「綺麗」と言った。それは、八雲にとっても大きな変化の瞬間だったと考える。
そんな友達以上恋人未満な関係の二人に焦れたのは、私だけではないはずだ。
お互いに惹かれあっているはずなのに、どちらも奥手で自分の気持ちを素直に伝えられないでいる。
私は、最終巻にて二人が付き合うとずっと思っていたが、そうではなかった。
なんと、二人はいい感じの雰囲気のままで、本作が終わってしまったのだ!
衝撃的な結末で、私は思わず目を見張ってしまった。
なので、私は短編小説の方で二人が付き合う流れになって欲しいと願っている。
そうでないと、私は焦れたまま終わってしまうことになるだろう…。
お願いだから神永先生!二人を付き合わせて欲しい……!
そんな感じで今日も、『心霊探偵八雲』を読む私だった。